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ゲームエイト社が設立から16ヶ月間で1,000万MAUに成長させるために取り組んだ、6つのポイント

  • 2015年12月15日、Labitの子会社「株式会社ゲームエイト」を、スマートフォンのプラットフォーム企業であるGunosyに株式譲渡しました。発表のちょうど3日前(12月12日)設立から16ヶ月目にして1000万MAUという記録が達成できました。全くゼロの状態からこの数字を築き上げ、社員30名のメディアカンパニーに成長させていくために試行錯誤して取り組んだこと、会社やサービスの成長において重要な転換点になった施策などをまとめておきます。


  • 1. 事業目的とビジョンを明確化するため、分社化を実施

    ゲーム全般に関するニュース、ユーザー投稿型のWikiプラットフォームや、攻略情報などを扱っているWebメディア「Game8.jp」は、元々はLabitのサイドプロジェクトとして本当に小さなWebサイトからスタートしました。創業者の西尾・鶴田の2人は、10代の頃から個人の趣味でゲームの情報サイトなどを運営していた経験があり、個人時代のサイトの質入れなども含め、10年以上のノウハウを持ち寄ることで、ユーザーに対してもっと価値の提供が出来ないか、新しいメディアとしてゲーム業界に少しでも貢献できるものを作れないか、という思いからスタートしました。Game8の「8」は、8月にドメイン取得したからです。

    Labit社では2014年、アプリ事業のリクルートグループへの売却などで通期での黒字決算・利益計上こそはしていましたが、設立当初より「会社=1つのサービスに特化ではない」スタートアップであったため、サービス単体での目標KPIやビジョンは定まっても、会社全体の経営が硬直化しやすい体制となっていました。そのタイミングで成長市場への参入、新規事業を推進するために、普通スタートアップでは行わないような意思決定として、「事業特化の子会社を設立する」ことを決めました。これは後から振り返ってみて、最も重要な経営判断でした。

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    Game8 labit

    1社でもリソースが少ないスタートアップの内部環境において、子会社を作り、オフィスも分けて、経理や決算処理などのバックオフィス機能も2倍になることはデメリットばかりですが、躊躇はありませんでした。実務を担う「現場での取り組み」と、企業グループ全体のファイナンスや親会社が担う投資育成の視点と、役割分担が明確となり、柔軟な体制で事業が成長する土壌を作ることができました。もっとも、個人的なエピソードとしては、コツコツ地道に数字を積み上げられる西尾に代表職として任せた、ということも大きな要因の一つです。おそらくLabitの「事業部」として展開していたら、大きなインパクトは作れなかったと思います。

    2. 「ファーストユーザー」は、やはり重要

    ゲームエイトが掲げているビジョンは「もっと、ゲームを楽しくする。」です。役員で合宿したり、数時間かけて散々議論した末に最後に決まったフレーズが、小学生でも思いつくようなシンプルなものでした。変に斜めに構えず、本当に大切なことを考えたとき、それはあまりに質素であったとしても、それこそが真実であるかもしれないのです。私たちは、初期のエディトリアルチーム、開発チーム体制を作っていく上で、「ゲームが好きである」ことを必須の採用条件とし、採用においても「ゲームを語れるか」を重要視していました。

    ユーザーを第一に考えて設計する「ユーザーファースト」と、自分自身がユーザーとして使う「ファーストユーザー」は全く異なります。Labitが提供するプロダクトはすべて「ファーストユーザー」の思想があり、開発などにアサインされているメンバーが「自分では、これ使わないかも」と思ったら、プロジェクトから離れることを会社として推奨しています。偶然にもゲームエイトの事業が立ち上がる黎明期、モンストなどが登場しフルネイティリッチゲームがいよいよ市場のメインストリームとなる転換期でした。スマートフォンを通したゲーム人口はかなり拡大しつつあり、結果的には、意図せず成長市場にタイミングよく参入することになりました。

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    3. 時間がかかっても、少しずつブランド認知を目指す

    Game8.jpは、サービスカラーとして黄色を基調に派手にデザインを行っています。当時の担当デザイナーと共に、少しずつでいいから「あの黄色いゲームのサイトはいろいろ役に立つよね」と認識してもらうことを目指しました。草の根の活動でも、30人のオフ会を開催したり、Twitterの個人アカウントでゲームユーザー一人ひとりとコミュニケーションを大切にしたり、それらの積み重ねを1年3ヶ月間続けてきました。現在、サイト名(サービス名)を含めた検索流入数は確実に増えてきています。ブランドを意識することで、将来的な事業の多角化を図る際にも、スムーズにできることを実感しています。

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    SEO対策はもちろん重要です。というか、SEOのノウハウとコンテンツパワー(資金投下力)があれば、それによって流入数を引き上げてページビューという数字は、いくらでも作れる世界になったと思います。当初は私たちもビッグキーワードでの流入がある記事などを執筆していました。現在、私たちが大切にしているKPIは、目先のPV以上にUU(月間訪問者数)であり、リピーター数や滞在時間・再訪問者率、1滞在当たりのセッション数などを重要なKPIとして、日々チェックしていました。

    4. 伸びないものは捨てる。数字が伸びるものにBETする

    Game8には、当初から様々な機能がありました。ゲームユーザーに色んな機能を試してもらいたいと思い、Wikiやキュレーションまとめ機能、掲示板、Yahoo知恵袋のようなQ&Aの機能、いろいろ機能単位でModelをGenerateし、フレームワークとして動作していたRailsの構造が複雑になっていたことがあります。一時、これらの機能のデータを全てチェックして、伸びないもの(ユーザーに使われない機能)は捨てるということをしました。この選択と集中で、業務フローもシンプルなものに改善され、注力することで伸びているものが更に成長し、「何に注力すべきか」という判断の重要性を改めて実感しました。

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    5. 外注をやめ、すべて内製にした

    ニュース編集部などでは、事業拡大のためのリソース確保に悩んでいた時期もあり、業務委託による外注、クラウドソーシングサービスの活用なども頻繁に行っていました。しかしながら、結論としてこれらは「対処療法」でしかなく、長期的には会社にとって重要なファクターとはならないことが分かりました。ケースバイケースかも知れませんが、Webメディアのスタートアップ企業においては、エディトリアルチームは同じオフィスでコミュニケーションを取ることがとても重要です。朝会や夕会には、開発チームと一緒に顔を合わせることになりますし、週次のKPIの確認など、温度感も含めて同じテーブルで仕事をする、ということは重要でした。

    6. みんなで数字を見る

    この記事を書くにあたって、2015年に入ってからはほとんど全ての経営実務・現場を一任していた西尾に、社員も増えてくる中で「最後のほう、チームビルディングで大事なのってなんだった?」と聞いてみました。

    「みんなで数字を見る」

    そういう答えが帰ってきました。目標を掲げて何かに取り組んでいるのであれば、それに関わるみんなで、数字を見よう。伸び悩む悔しさも一緒に共有して、目標達成したときの達成感も一緒に味わって、そうやって少しずつチームは成長していく。

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    このプロジェクトは、かなり短期間(1年6ヶ月間)のストーリーで、従業員や初期からいるメンバーにとっては、きっと忘れられないくらい濃厚な日々だったと思います。買収によって会社としての機能について何か変わるわけではないので、(オフィスも代表取締役もそのままの体制が維持されます)すぐに何かが大きく変化するわけではありませんが、今後のゲームエイト、そしてGunosyの発展を応援・期待しつつ、Labitも引き続き新しいサービス(この ditors. )の開発・運営、頑張っていきます。

    【参考リンク】

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